🐶犬
消化器科
公開日
2026.1.19
更新日
2026.3.16

こんにちは!リベ大どうぶつ病院 院長の林です。
ワンちゃんは、おもちゃやひもなど、食べてはいけないものをうっかり飲み込んでしまうことがあります。
実際、大手ペット保険会社「アニコム損保」の統計によると、2022年度、犬・猫の誤飲によって5万2,000件以上の診療があったと報告されています。
誤食(ごしょく)・誤飲(ごいん)は命に関わることもあるため、日頃から予防を心がけていきましょう。
このコラムでは、犬が誤食をしてしまう理由と、家庭でできる予防方法を獣医師の視点でわかりやすく解説します。
犬の誤食は突発的に見えるかもしれませんが、実はしっかりとした理由があります。
誤食してしまう背景を理解して、予防に役立てましょう。
犬の誤食は、狩猟本能の名残による「なんでも噛んで確かめる習性」に関連して起こることがあります。
犬はにおいが強いものや動くものに、強い興味を示します。また、おもちゃと食べ物の区別がつきにくく、食べられないものを口にしてしまうこともあります。
特に子犬は好奇心が旺盛なので、誤食のリスクが高くなります。
犬は、退屈やストレスを紛らわすために、ものを口にすることがあります。
特に、留守番が長い時間になると、時間を持て余してしまいます。そして、近くにある布製品やペットシーツなどを噛んで遊んでいるうちに、誤って飲み込んでしまうことがあるのです。
また、運動不足も、犬にとってはストレスの原因になります。
十分な散歩や遊びの時間が確保できていないと、余ったエネルギーのはけ口として家の中のものを噛み、誤食につながることがあります。
犬の誤食の傾向や原因は、年齢によって異なります。
愛犬の年齢に当てはめて、どのような危険があるのか知っておきましょう。

なお、どの年齢でも、引っ越しや家族構成の変化など、大きな環境の変化は犬にストレスを与えます。
誤ってものを口にしていないか、普段より注意して見守りましょう。

誤食を防ぐためには、日常生活の中での工夫と習慣づけが大切です。
ここからは、家の中での環境整備から散歩中の対策まで、場面別に具体的な予防方法をご紹介します。
誤食を防ぐために、片付けと収納を習慣化しましょう。「使い終わったものはすぐに元の場所に戻す、床にものを置かない」といったことを徹底します。
特に犬が興味を持ちやすい人の食事はすぐに片付けることを心がけましょう。
チョコレートや薬、たまねぎなどは、犬が中毒症状を引き起こす食べ物です。いずれも、高い位置かつ扉付きの収納スペースに保管しておくといいでしょう。
キッチンや脱衣所などにあるゴミ箱は、誤食が起こりやすい場所です。
ゴミ箱はロック機能がついたタイプ・蓋が重いタイプを選ぶと、犬が簡単に開けられないため、誤食のリスクを減らせます。
ゴミ箱を替えるのが大変な場合は、犬の届かない高い位置や犬が入れないエリアに設置しておくと安心です。
小さな子どもがいる家庭では、おもちゃ、粘土、ビーズなどによる誤食に注意が必要です。
犬にとって格好の遊び道具に見えてしまうため、遊び終わったらすぐに片付け、届かない場所に保管しましょう。
また、子どもの食べこぼしも誤食の大きな原因となります。食事中や食後は床をこまめにチェックし、すぐに掃除する習慣をつけましょう。
ベビーゲートを設置して、子どもと犬の生活動線を分ける方法も便利です。
誤食の危険があるものに触れる機会を減らすため、留守番中はケージやサークルを活用するといいでしょう。
退屈しのぎの誤食を防ぐためには、知育玩具など誤食しにくいおもちゃを用意することがおすすめです。中におやつを入れられるタイプなら、いい暇つぶしにもなります。
さらに、できれば留守番前に十分な運動をさせてあげましょう。ストレスが軽減され、留守番中に落ち着いて過ごしてもらいやすくなります。
散歩中の拾い食いを防ぐためには、犬が地面に顔を近づけにくくなるショートリードの使用が効果的です。
犬が地面をクンクンと嗅ぎ回りすぎているときは、優しく声をかけたり、おやつで気を引いたりして、視線を誘導しましょう。
また、日頃から「拾っても無視する練習」をしておくこともおすすめです。おやつを地面に置き、無視できたら褒めるトレーニングを繰り返すことで、拾い食いの衝動をコントロールしやすくなります。
ゴミが多い場所や公園など、誤食のリスクが高いルートは避けるのも一つの方法です。
誤食を予防するためにできるトレーニングについては、下記コラムでも詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
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犬の誤食を防ぐには?原因と家庭でできる予防策を総まとめ

犬の誤食を防ぐためには、犬の生活習慣を工夫することも大切です。
ここでは、誤食リスクを減らすために意識したい3つのポイントをご紹介します。
十分な運動と遊びの時間を確保することで、誤食のリスクを減らしてあげましょう。
毎日の散歩は、心身の健康にとっても欠かせません。
適度な運動でエネルギーを発散できるだけでなく、外の刺激で好奇心を満たすこともできます。
ボール遊びや引っ張りっこ遊びなど、飼い主と一緒に楽しめる遊びの時間も作ってみるといいでしょう。

運動不足が原因の誤食が多いように感じます。愛犬のストレスサインに気づいたら、何歳でも、思っている以上に運動量を確保して、しっかりエネルギーを発散させてあげましょう!
犬には「噛みたい」という本能的な欲求があります。この欲求を適切に満たしてあげることで、誤食を防ぎやすくなるので、噛んでもいいおもちゃを常に用意してあげましょう。
噛むことはストレス発散にもなり、家具や危険なものを噛む行動を防げます。
ゴム製の丈夫なおもちゃや、デンタルタイプのおもちゃなど、安全性の高いものを選ぶのがおすすめです。
ただし、嗜好性(においや味)の強すぎるおもちゃは、夢中になりすぎて噛みちぎって誤飲してしまう危険性が高まります。
おもちゃは定期的に状態を確認し、劣化したら交換しましょう。
食事中にフードをこぼす癖があると床に落ちたものを食べることに抵抗がなくなり、散歩中の拾い食いにつながることがあります。
フードボウルの高さは体格に合わせて調整し、食べやすい姿勢を保てるようにしましょう。
また、落ち着いて食事できるよう、静かな場所に食事スペースを配置することも大切です。
犬の誤食は、日々の生活環境の工夫と習慣づけによって予防しやすくなります。
愛犬が安心して暮らせる環境を整え、誤食のリスクから守ってあげましょう。
万が一誤食してしまった場合は、当院でも治療を行っておりますのでお気軽にご相談ください。
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【参考文献】
Quinn R, Masters S, Starling M, White PJ, Mills K, Raubenheimer D, et al. Functional significance and welfare implications of chewing in dogs (Canis familiaris). Front Vet Sci. 2025;12:1499933.
アニコム損害保険株式会社. アニコム家庭どうぶつ白書2024.p60
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