リベ大どうぶつ病院

コラム

当院における治療例|会陰ヘルニア

  • 🐶犬

  • 消化器科

公開日

2025.4.13

更新日

2026.3.17

■どんな動物?

ミニチュア・ダックスフンド、男のコ、12歳

これまで大きな病気もなく元気に過ごしていましたが、ある日突然、いつもの様子と違うと来院されました。

■飼い主さんが気づいたこと  

おしっこが出ないみたいなんです。

出ても1滴くらいで、すごく苦しそうで…


飼い主さんは愛犬がおしっこをするそぶりをしているのに、まったく出ていないことに気づき、すぐに受診されました。

■どんなケガや病気?   

検査の結果、膀胱がお腹の外に飛び出してしまっていることで、尿道が折れ曲がったり圧迫されたりして、尿が出ない状態(尿道閉塞)になっていることがわかりました。

膀胱が本来の位置よりも、外に飛び出していることが根本的な原因のため、会陰ヘルニアと診断されました。

■どんな治療をしたの?  

①尿道閉塞の治療

まずは緊急対応として、膀胱にたまった尿を抜く処置を行いました。

膀胱に針を刺し、手動で尿を吸引する「膀胱穿刺(ぼうこうせんし)」という方法です。


膀胱がパンパンになるほど尿がたまってしまい、とてもつらかったはずです。

そのため、まず痛みを和らげることを最優先にしました。


ただ、尿はまたすぐにたまってしまうので、カテーテル(細い管)を使い、スムーズに排尿できるようサポートしました。

②会陰ヘルニアの治療

後日、会陰ヘルニアの外科手術を行いました。

手術で実際に確認したところ、膀胱だけでなく腸も、おしりの筋肉の隙間から飛び出している状態でした。


そこで、以下の処置を組み合わせました。

  • 去勢手術

  • 精管固定

  • ウルトラプロメッシュという特殊な素材を使った、会陰ヘルニア整復


飛び出していた膀胱と腸を本来の位置に戻し、再発を防ぐための工夫も同時に行いました。



【手術前】

膀胱にたまっていた尿を抜いた後の様子。

おしりの左側が、右側に比べて少しふくらんでいることがわかります。

手術前の写真。 犬のおしりの左側が右側に比べて大きくふくらんでいる様子。


【手術後】(約1ヵ月後)

左側の不自然なふくらみがなくなり、手術の傷あともほとんどわからないくらいまで回復しました。

手術後の写真。手術から約1ヵ月後、左右のふくらみが均等になり、傷あとも目立たなくなったおしりの様子。

■その後、どうなったの?  

手術の後は、ごはんもよく食べ、術後の経過も良好です。

おしっこも自分でスムーズに出せるようになり、合併症などもなく、無事に回復しています。

■先生からひとこと

今回は、12歳とかなり高齢のワンちゃんでしたが、手術も乗り越え、治療をがんばってくれました。

「おしっこが出ない」「ふんばっているけど何も出ない」

このような場合、特にシニア期の男のコのワンちゃんでは、会陰ヘルニアの可能性があります。

少しでも異変を感じたら、ぜひ早めにご相談くださいね。

▶︎LINEでのご相談はこちら

受診前にお問い合わせいただけます。どうぞお気軽にご利用ください。

▼関連コラム

【おしりがふくらむ病気?】会陰ヘルニアの症状・なりやすい特徴・治療法

一覧へ