リベ大どうぶつ病院

コラム

犬の骨折は自然に治る?費用の目安・3Dギプスの治療例を紹介 

  • 🐶犬

  • 総合診療

公開日

2026.5.22

更新日

2026.5.22

こんにちは!リベ大どうぶつ病院 院長の林です。

🌀 ソファから飛び降りた後に、足を引きずっている

🌀 急に前足をかばうようになった

🌀 骨折かな?捻挫かな?


愛犬が足を痛そうにしていたら、心配になりますよね。


このコラムでは、骨折を疑うサインや、骨折治療の基礎知識をお伝えします。
当院で力を入れている「3Dギプス治療」を受けたワンちゃんの症例もご紹介しますので、あわせてご覧ください。

🔸 骨折と捻挫の見分け方は?

愛犬が足を痛そうにしていると「骨折かな?捻挫かな?」と気になると思います。骨折を疑う代表的なサインとは、次のようなものです。

骨折を疑う主なサイン

骨折している場合は、強い痛みとともに以下のような様子が見られます。


  • 足をまったく地面につけない、3本足で歩く

  • 足が腫れている、熱を持っている

  • 触ると強く嫌がる、鳴く

  • 足の向きや形に異常がある

  • ぐったりして立てない


トイプードル、チワワ、マルチーズ、ポメラニアンなどは、前足の骨が細い犬種です。1歳未満の若齢期は骨自体がとても柔らかい状態で、ちょっとした衝撃でも骨折してしまうことがあります。

迷ったらまずは受診を

捻挫と骨折を見た目だけで区別するのは困難です。最終的にはレントゲン検査をしないと診断がつきません。


愛犬に気になる症状があったら、無理に触ったり動かしたりせず、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。

🔸 犬の骨折治療|知っておきたい基礎知識

ここからは、犬の骨折について知っておきたい基本の知識をお伝えしていきます。

基本的に自然治癒は難しい

「骨折くらい、自然治るの待てばいいのでは?」

そう思う飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、犬の骨折は、自然治癒を待つのが難しいとされています。


骨がきれいにくっつくには、折れた部分を一定期間しっかり固定することが欠かせません。ところが、犬は人のように安静を保つことが難しく、少し痛みが引くと、走ったりジャンプしたりしてしまうコも少なくありません。


そのため、犬の骨折治療では、適切な固定が基本です。不適切な治療や処置の遅れがあると、骨がうまくくっつかなかったり、ズレたまま固まってしまったりするケースもあります。


痛みや歩き方の問題が残ってしまうこともあるため「様子を見ていれば治るだろう」と自己判断せず、必ず獣医師の診察を受けさせてあげてください。

治療期間の目安は1〜2ヶ月

米国獣医外科学会(ACVS)によると、骨折が十分に治るには、子犬で最低4週間、成犬・高齢犬では8週間必要とされています。ただし、骨折の状態や年齢、体格、治療法によって、期間は前後します。


当院での具体的な経過は、このコラムの後半でご覧いただけます。治療期間が気になる方は、あわせて参考にしてみてください。

治療費は治療内容によって幅がある

犬の骨折治療にかかる費用は、治療内容によって大きく異なります。軽度の固定治療と、全身麻酔をともなう外科手術とでは、必要になる検査・処置・入院日数が変わるためです。


現在、犬の骨折では、外科治療が最も標準的な方法とされています。当院では、近年新たな選択肢のひとつとして登場した「3Dギプス治療」を行っており、費用の目安は30〜35万円です。

実際の費用は骨折の状態によって変動するため、初診時にお見積もりをお伝えしています。

3Dギプス治療とは?

小型犬の前足の骨折は、なかなか治りにくいケースが少なくありません。当院では、こうした難しい骨折に対する手術以外の選択肢として「3Dギプス治療」に力を入れています。


3Dギプスは、ワンちゃんごとの足の形にぴったり合わせて作るオーダーメイドのギプスです。骨折の状態によっては、全身麻酔や手術をせずに、週1回の通院で「歩きながら治す」ことを目指せるのが特徴です。


仕組みやメリットについては、過去のコラムで詳しく解説していますので、気になる方はご覧ください。


▼ 関連コラム

【手術しない骨折治療】歩きながら治す!3Dギプスという選択肢

🔸 3Dギプス治療の症例を紹介!

ここからは、当院で3Dギプス治療を受けたワンちゃんの症例をご紹介します。


※ レントゲン画像や動画は、飼い主さんのご了承を得て掲載させていただいております。また、治療の適応・効果には個体差があります。詳しくは獣医師にご相談ください。

① トイプードル 7ヶ月

3日前に骨折して来院したトイプーちゃん。3Dギプス治療について説明し、ご家族にご納得いただいたうえで治療を開始しました。当日から通常ギプスで固定し、1週間の安静期間を設けました。


その後、3Dギプスを作成・装着。1週間ごとに皮膚やむくみのチェック、ギプス交換を継続し、約1ヶ月で治療を終了しています。

② ヨークシャーテリア 8ヶ月

体重2.38kgのヨーキーちゃん。飼い主さんの膝の上から飛び降りた後、右の前足を上げて痛がっている様子で、すぐに来院されました。


最初の1週間弱は通常のギプスで安静期間を設け、その後、3Dギプスを装着。


1週間ごとに皮膚やむくみの状態をチェックし、レントゲンで骨の様子を確認しながら治療を進めました。約1ヶ月半で治療を終了しています。

③ トイプードル 11ヶ月

約20cmの段差から飛び降り、着地に失敗して骨折したトイプーちゃん。当院を受診する前に、かかりつけ医で橈尺骨骨折(とうしゃっこつこっせつ)と診断を受けていました。


受診時、足先が90度回転してしまっていたため、まずは足の向きを正しい位置に整え直したうえで、ギプスを装着しました。


ご家族でじっくり相談されたうえで、3日後に3Dギプス治療をスタート。1週間ごとに皮膚やむくみを観察し、ギプスの調整を行いながら、約1ヶ月半で治療を終了しました。

④ トイプードル 1歳3ヶ月

他院で外科手術を受けた後、骨に入っていたピンが折れて再骨折してしまったトイプーちゃん。セカンドオピニオンとして、当院を受診されました。


3Dギプスを装着して、1週間ごとにむくみ・皮膚の状態をチェックしながら、包帯交換を継続しました。遠方からの来院だったため、骨の安定が見られた段階で、自宅で5日ごとの包帯交換を行っていただき、2週間ごとの通院に切り替えました。


約2ヶ月半で治療を終了しています。

3Dギプス治療の注意点

3Dギプス治療はあくまでも選択肢のひとつであり、すべての骨折を治療することはできません。骨の折れ方など状況によっては、獣医師の判断にもとづいて手術などをご提案することがあります。


以下の点について、あらかじめご理解いただけたらと思います。


  • 対象となる骨折部位は、前足(橈骨・尺骨)です。

  • 3Dギプスは特殊な技術を要するため、本治療に対応する病院以外でのギプス交換などは想定されていません(他院で適切でない処置が行われた場合、期待される治療効果が得られないことがあります)。

  • 週1回の通院・半日お預かりでの処置が必要となります。

  • ギプス装着にともなう皮膚炎などに対して、お薬の処方が必要になる場合があります。

愛犬と一緒に微笑む院長の写真と『院長のワンポイントアドバイス』という吹き出しのメッセージ

ご家族のご希望もお聞きしながら、一緒に治療方針を決めていきます!

🔸 愛犬の骨折で迷ったら、ご相談を

🌀 足の様子が気になる

🌀 手術を勧められたけれど、ほかに選択肢はないのかな…

🌀 他院で治療を受けたけれど、なかなかよくならない


そんなお悩みがある飼い主さんは、リベ大どうぶつ病院までお気軽にご相談ください。


骨折の状態に応じて、3Dギプスが向いているケースもいれば、外科手術のほうが適しているケースもあります。複数の選択肢を比べながら、一緒にベストな治療を探していきましょう。


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それではまた、次のコラムで!


【参考文献】

  1. American College of Veterinary Surgeons (ACVS). Fractured Limbs in Small Animals.

  2. Today's Veterinary Practice. Definitive Treatment of Limb Fractures With Splints or Casts.

  3. Veterinary Information Network (VIN). Fractures of the Radius and Ulna in Toy Breed Dogs.

  4. 本阿彌宗紀. 骨折治療の基礎と固定法の基本的な考え方〜トイ犬種の橈尺骨骨折への応用へ向けて〜. 動物臨床医学. 2018;27(3):93-94.

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