🐶犬
総合診療
公開日
2025.6.28
更新日
2026.3.17
こんにちは!リベ大どうぶつ病院 院長の林です。
いつも元気いっぱいなワンちゃんは、ふとしたはずみで骨折してしまうことがあります。
🌀階段から足をすべらせちゃった…
🌀抱っこから飛び降りた後、足を痛がっているかも?
突然の大きなケガに、飼い主さんも不安や疑問をたくさん抱えて来院されます。
特に小型犬や子犬の場合、骨折治療にはさまざまな困難をともないます。
一方で、手術をするしかないと思われてきた骨折治療に、近年新たな治療法が登場しました。
その名も「3Dギプス」。
ワンちゃんそれぞれの足にぴったり合う “オーダーギプス” を使い、「歩きながら治す」新しい選択肢です。
全身麻酔も金属プレートも不要。週1回の日帰り通院で、骨を太く丈夫に再生させながら、ほぼいつもと同じ生活を続けられます。
本コラムでは
3Dギプス治療の特徴・4つのメリット
実際に治療を受けた飼い主さんの声
などを通して、この治療法をわかりやすくご紹介します。
もしもの骨折に、我がコに合ったベストな選択肢を見つける手助けになれば幸いです。
トイ・プードル、ポメラニアン、イタリアン・グレーハウンドなど、体重が軽い・体格が細いワンちゃん。
その前足の骨は、幅や厚みが1cm程度もしくはそれ以下のこともあります。
これほど細い骨になると、これまでの治療法では治すことが難しい場合もみられるようになってきました。
①手術で「金属プレート・ピン」などを入れる
②術後は約2ヵ月間の安静

お散歩はしばらくガマンですね
室内(さらにできればケージなどのせまい空間)で、じっとさせてくださいね
動いてしまう遊びや楽しいことで興奮させないようにしましょう

わかりました(じっとできるかな…?でも、しかたないよね)
ワンちゃんにとっても飼い主さんにとっても「動かさない」というのはなかなか大変なこと。
しかし、折れた骨がくっつくまでは「とにかく安静」の日々でした。
一方で、次のような問題点も。
全身麻酔・手術が必要
プレートにともなう感染・プレート破損のリスク
動いてはいけないことのストレス
体力・筋肉量の低下
治療後に骨がもろくなり、再骨折するリスク
3Dギプスは、前足の形にぴったり合わせて作る特別なギプスです。
まるでオーダーメイドの靴のように、そのコだけの専用ギプスを作ります。
これまでの「とにかく安静」の治療法と違い、3Dギプスは「動いてもいい」、むしろ「歩くことをおすすめする」治療法です。
歩いた方がいい理由、それは骨が作られる仕組みにあります。
【骨が作られる仕組み】
①歩くことで、骨に自然な刺激が伝わる
②刺激を受けて、新しい骨を作る細胞が活発に働くようになる
③その結果、元の骨よりも太くて丈夫な骨ができあがる

このように、体が元々持っている「骨を作るチカラ」を大切にし、うまく利用することで適切な治療を目指します。
こうした治療ができるのは、3Dギプスが足にぴったりフィットすることで、骨を固定しながら歩ける特殊なギプスであるためです。
1. 全身麻酔・手術が不要
突然の骨折でただでさえ困惑する中、全身麻酔や手術となると、飼い主さんにとってはさらに不安を感じることも。
3Dギプスによる治療では手術の必要がないため、全身麻酔も要りません。
2. 普段に近い生活ができる
骨折した直後は痛みもあり、いきなり歩くことはできないため、添木(そえぎ)を使って固定し、約7〜10日間は安静にして過ごします。
3Dギプス装着後は、お散歩・軽いジャンプなど、様子をみながら自由に動いてOK。
手術をした場合に比べ、ワンちゃんはもちろん、飼い主さんのストレスもぐっと軽くなることでしょう。
3. 体力を保ち、より丈夫な骨へ
長期間じっとしていたり、骨折した足をかばい続けたりしていると、体力や足の筋肉が衰えてしまい、他の健康リスクが気になることも。
「歩きながら治す」ことで、全身の健康バランスを整えつつ、元の骨よりも太く丈夫な骨を作ることができます。また、同じところを再び骨折してしまうリスクを避けることにもつながります。
4. 週1回の通院でOK
治療は日帰り・週1回のペースが基本。ギプスの調整や、足の洗浄・消毒などを行います。
「毎日病院で注射」「自宅でつきっきり」といったケアは必要ありません。入院も不要なため、治療の負担をできるだけ小さくすることができます。
3Dギプスは前足を骨折した場合に用いられます。
前足には「橈骨(とうこつ)」「尺骨(しゃっこつ)」という骨があります。人間でいうと”手首からひじまで”の骨にあたります。
このどちらか、あるいは両方が折れてしまった場合に、3Dギプスが治療選択肢のひとつとなります。

体重2kg以下の超小型犬・小型犬
麻酔に不安がある場合
- 生後6ヵ月未満の子犬
- 心臓や肝臓に病気を持っているコ
長期間の安静が難しい場合
- 活発な性格・年齢(2歳くらいまで)
- 多頭飼いなど、他の犬とのじゃれあいが起こりやすい環境
- うんち・おしっこを散歩のときにしかできないコ
3Dギプスはあくまでも治療選択肢のひとつであり、すべての骨折をこの方法で治療することはできません。
上記のワンちゃんに当てはまる場合でも、骨の折れ方など状況によっては、獣医師の判断にもとづいて手術など外科治療をご提案することがあります。
以下の点について、あらかじめご理解いただければと思います。
【3Dギプス治療を受ける前にご確認ください】
対象となる骨折部位は、前足(橈骨・尺骨)です。
犬の骨折は現在のところ、外科治療が最も標準的な方法です。
3Dギプスは特殊な技術を要するため、本治療に対応する病院以外でのギプス交換などは想定されていません(他院で適切でない処置が行われた場合、期待される治療効果が得られないことがあります)。
週1回の通院・半日お預かりでの処置が必要となります。
ギプス装着にともなう皮膚炎などに対して、お薬の処方が必要になる場合があります。
当院で3Dギプス治療を受けられた飼い主さんの声を、いくつかご紹介します。
うちのコに『じっとしてて』なんて無理だと思い、途方に暮れていました。
3Dギプスは、ほぼいつも通りにお散歩したり遊んだりできて、あまりストレスを感じずに過ごせたんじゃないかと思います。私もホッとしました!(トイ・プードル、1歳)
まだ子犬で、1.5kgもないコです。全身麻酔のリスクが不安で、必死に調べて3Dギプスという治療法があることを知りました。
おかげで安心して治療を続けられています。(ヨークシャー・テリア、4ヵ月)
他院でのプレート手術後、セカンドオピニオンとして相談しました。
遠方でしたが、3Dギプス治療ができるリベ大どうぶつ病院さんに出会えてよかったです。(イタリアン・グレーハウンド、1歳3ヵ月)
実際に治療を受けたコの動画も、ぜひご覧ください。
少しかばいながらも足を着地させて、しっかり動かし始めています!
(消音加工をしています)
ギプス装着からまだ2週間とは思えないほど、元気に走れるようになりました!
(消音加工をしています)

その後順調に回復し、骨もすっかり元通りに。
骨折してからすぐに当院を受診、3Dギプス治療をスタートできたことも、スムーズな回復を後押ししました。
※コメントや動画は飼い主さんのご了承を得て掲載させていただいております。また、あくまでも個人の感想および当院での治療例であり、治療の適応・効果には個体差があります。詳しくは獣医師にご相談ください。
3Dギプスでの治療期間中は、週1回の通院が必要となりますが
遠方にお住まいの方
ワンちゃんを連れて週1回の通院がどうしても難しい方
上記のような方のために、ご自宅での環境を整えていただくことで、できる限りの処置ができるようアドバイスを行なっています。まずは一度、ご相談いただければと思います。
2人以上で処置できる体制があること
ギプス交換は痛みや不快感を伴うことがあるため、大人2人以上でワンちゃんを支えられる体制が必要です。
かかりつけ医にてレントゲン撮影を依頼いただくこと
ご自宅近くの動物病院にて、週1回のレントゲン撮影(正面・横向き、各1枚)をご依頼いただき、当院へ共有していただく必要があります。
その他、獣医師が必要と判断した場合には受診いただけることや、期待される治療効果が得られないことがある点についても、ご理解いただけますようお願いいたします。
当院でも飼い主さんが適切な処置を行えるよう、事前の詳細な説明の上で慎重に進めることはもちろん、手技に関する疑問や不安があれば、オンライン・電話などによるサポートも行なっております。
お困りの場合は、どうぞ遠慮せずお声がけください。
活発で好奇心旺盛なワンちゃんほど、思わぬアクシデントで骨折してしまうことも。
そんなとき「切らずに・歩きながら・早い回復が期待できる」新しい選択肢が、3Dギプス治療です。
🌀全身麻酔や手術への不安
🌀長期間にわたって安静にさせることの難しさ・ストレス
🌀長引く治療に対する負担
こうしたお悩みのある方は、リベ大どうぶつ病院までお気軽にご相談ください。
特に「プレート手術を受ける前」「抗炎症剤などたくさんのお薬を使う前」に受診いただくと、骨折治療の選択肢が広がり、メリット・デメリットなどを比べた上でベストな方法を選びやすくなるでしょう。
大切な家族が1日でも早く元気に走って、楽しい日常を取り戻せるよう、私たちはあらゆる選択肢から最適な治療法を一緒に考えていきます。
すでに他院で診てもらっているコのセカンドオピニオン
高度医療が必要な場合、専門分野に特化した二次診療施設への紹介
も行っております。
骨折治療でわからないことや気になることがあれば、いつでもお声がけくださいね。
受診前にお問い合わせいただけます。どうぞお気軽にご利用ください。
それではまた、次のコラムでお会いしましょう!

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