リベ大どうぶつ病院

コラム

犬猫のフィラリア症予防はなぜ必要?種類と開始時期 

  • 🐶犬

  • 😺猫

  • 感染症

  • 予防診療

公開日

2026.3.18

更新日

2026.3.18

こんにちは!リベ大どうぶつ病院 院長の林です。


🌀 犬猫のフィラリア症予防って、本当に必要なの?

🌀 予防薬はいつから始めればいいの?


同じ疑問をお持ちの方も多いでしょう。


今回は、フィラリア症予防が必要な理由、予防薬の種類、始める時期を解説します。

迷ったときの参考にしてくださいね。

🔸 フィラリア症は予防できる病気

フィラリア症は、寄生虫であるフィラリアによる感染症です。

フィラリアとは?|心臓に住みつく寄生虫

フィラリア(犬糸状虫)は、蚊が運ぶ寄生虫です。

幼虫は数か月で成長し、心臓や肺の血管に住みつきます。

成虫は約30cmにもなり、心臓や血管を詰まらせてしまいます。

感染しても初期は症状が出にくい

フィラリア症の感染初期にはほとんど症状が出ません。

気づいたときには病気が進行していることもあります。

だからこそ、感染する前の予防が重要です。


▶︎ 関連記事はこちら「【気づかないうちに進行?】フィラリア症|犬・猫の症状と感染経路


🔸 フィラリア症はなぜ予防が必要なの?

フィラリア症は予防薬でほぼ防ぐことができます。

予防薬の仕組みと、毎月の投薬が必要な理由を解説します。

予防薬は「幼虫」を駆除する

フィラリア症の予防薬に虫よけ効果はありません。

体内に入った幼虫を、心臓に到達する前に駆除する薬です。

予防薬は血管に入った幼虫や成長した成虫を駆除できないため、早めに使う必要があります。


今月の投薬は、前回の投薬から体に入った幼虫を駆除するものです

そのため、毎月きちんと投薬することが大切です。

成虫の駆除は負担が大きい

成虫になってしまうと、簡単には治療できません。

長期の治療や外科手術が必要となることもあり、体への負担も大きくなります。

予防しないとどうなる?重症化リスク

フィラリア症は放置すると心不全を引き起こし、命にかかわることもあります。

「予防」と「治療」では、負担も費用も大きく異なります。

大切な愛犬・愛猫を守るためにも、適切な予防が大切です。

🔸 フィラリア症の予防薬にはどんな種類がある?

予防薬にはいくつかのタイプがあり、愛犬・愛猫に合わせて選べます。


タイプ別比較:チュアブル錠・滴下・錠剤・注射

タイプ

特徴

チュアブル錠

おやつ感覚で与えられ、薬が苦手な子にも飲ませやすい

滴下(スポット)

首の後ろに垂らすだけで、飲み薬が苦手な子にも使いやすい

錠剤

風味付けが少ない製品もあり、嗜好性が不要な子に向く

注射

通院で管理しやすく、飲み忘れを防ぎやすい

愛犬・愛猫の体質や性格に合わせた選び方

飲み薬が苦手な子には滴下タイプ、アレルギー体質の子には添加物の少ない錠剤など、その子に合った薬を選ぶことが大切です。

コリーやシェルティーなどの犬種では、一部の薬剤に過敏症を示す場合があります。

獣医師と相談しながら選ぶことをおすすめします。

リベ大どうぶつ病院で使っている薬

当院では、「シンパリカトリオ®」(チュアブル錠)を基本に処方しています。

飲み薬が苦手な子には、滴下タイプの「エビクト®」や「レボリューション®」も選択肢の一つです。

猫には、「キャットコンボ®」(滴下タイプ)をご用意しています。

愛犬・愛猫に合う薬を提案いたしますので、お気軽にご相談ください。



🔸 フィラリア症予防はいつから・いつまで?

投与のタイミングも、予防効果に関わる大切なポイントです。

投与開始の目安:蚊が出始めてから1か月後

蚊に刺された直後では、まだ薬が十分に効きません。

感染後しばらく経過してから薬が効くため、「蚊が出始めてから1か月後」が開始の目安です

投与終了の目安:蚊がいなくなってから1か月後

蚊がいなくなっても体内に幼虫は残ります。


🌀 もう蚊を見ないから、最後の1回はいいかな?


という自己判断をせずに、蚊がいなくなってから1か月後までは続けましょう。

多くの地域で5月〜12月が目安

温暖化の影響で、多くの地域では5月〜12月の投与が一般的です

お住まいの地域に合わせた投与期間を、かかりつけの獣医師に確認してください。

🔸 フィラリア症予防はなぜ毎年必要なの?



🌀 去年予防したから今年は大丈夫


と思っていませんか?

ここでは、フィラリア予防を毎年続けてほしい理由を解説します。


去年予防しても今年の感染は防げない


フィラリア症の予防に「免疫」はつきません。

そのため、毎年欠かさず予防する必要があります。


通年投与(1年中飲ませる)という選択肢もある


近年は蚊の活動時期が読みづらく、投与期間も地域差があります。

迷う場合は「通年投与」も含めて獣医師と相談しましょう。

開始時期に迷うことがなくなります。


加えて、予防薬を使う前の検査も重要です。


愛犬と一緒に微笑む院長の写真と『院長のワンポイントアドバイス』という吹き出しのメッセージ

「感染している状態で予防薬を使うと重篤なショックを起こす恐れがあるため、シーズン開始前には必ず検査を受けましょう。」

🔸 よくある疑問(高層階・室内飼い・猫も必要?)

最後にフィラリア症の予防についての疑問にお答えします。

マンション高層階でも蚊は侵入する?

蚊は玄関やエレベーターの他にも、人の服に付くことで高層階にも侵入します。

「高層階だから安全」とは言い切れません。

室内飼いの犬・猫は予防しなくていい?

室内飼いでも感染事例は報告されています。

蚊の侵入を完全に防ぐことは難しいため、室内飼いでも予防を続けることが大切です。

猫もフィラリア症予防が必要?

猫もフィラリアに感染します。

わずか1〜2匹の成虫でも突然死を招くことがあります。

検出も治療も難しいため、予防が重要です。

🔸 まとめ:フィラリア症予防は愛犬・愛猫を守る習慣

フィラリア症は予防薬でほぼ防げる病気です。

蚊の発生から1か月後〜いなくなってから1か月後まで、毎月投与することで予防効果が高まるとされています。


また、愛犬・愛猫の体質や生活スタイルによって、最適な予防薬は異なります。

「どれを選べばいい?」と迷ったときは、重症化を防ぐためにも早めに獣医師にご相談ください。


▶︎ 当院のLINEでのご相談はこちら


みなさまの大切な愛犬・愛猫が、毎日元気に過ごせますように。


では、次回のコラムもお楽しみに!


【参考文献】

  1. American Heartworm Society. American Heartworm Society Canine Guidelines for the Prevention, Diagnosis, and Management of Heartworm (Dirofilaria immitis) Infection in Dogs. 2024.

一覧へ