😺猫
感染症
予防診療
公開日
2026.4.12
更新日
2026.4.12

こんにちは!リベ大どうぶつ病院 院長の林です。
🌀 室内飼いの猫にもフィラリア予防って本当に必要なの?
🌀 猫のフィラリア予防薬はいつから始めて、いつまで続ければいいの?
こうした疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
猫のフィラリア症は、重症化すると命に関わることもある感染症です。
そこで今回は、猫のフィラリア症の特徴と、適切な予防方法について解説します。
日々の検査や予防の参考として、ぜひご覧ください。
フィラリアは犬だけでなく猫にも感染します。
ここでは、猫のフィラリア症の特徴をおさえておきましょう。
フィラリア症は犬の病気と思われがちですが、猫にも起こります。
国内でも、飼い猫の3.0〜5.2%、野良猫の0.5〜9.5%にフィラリア症が確認されています。
猫のフィラリア症は、咳・呼吸困難・嘔吐など喘息に似た症状が出るため気づかれにくいこともあります。
寄生している数が少なくても、肺の血管に炎症が起こることがあります。
場合によっては急に症状が悪化することもあるため、注意が必要です。
犬と猫の症状の違いや基本を知りたい方は、こちらもご覧ください。
▶︎ 【気づかないうちに進行?】フィラリア症|犬・猫の症状と感染経路
フィラリアは蚊が運ぶ病原体です。
感染した猫のうち、4頭に1頭は完全室内飼いという報告もあり、室内飼いでもリスクがないとは言えません。
🌀 マンションの高層階や完全室内飼いなら蚊に刺されない
これはよくある誤解です。
実際は、蚊は玄関・エレベーター・人の服に付着して室内に侵入します。
猫のフィラリア症は、検査や治療が難しいため、予防していくことが重要です。

猫用の予防薬は首筋に垂らすスポットオン(滴下型)が主流です。
予防薬を選ぶときは、猫が嫌がらずに使えるかどうかに加えて、フィラリア以外の寄生虫対策もできるかについても確認するとよいでしょう。
当院では、こうした点からスポットオンタイプのキャットコンボ®を採用しています。
スポットオンタイプは肩甲骨の間など、舐めにくい部位に滴下します。
ただし、猫が複数いる場合は、ほかの猫が舐めることもあるため、投与後数時間は見守ると安心です。
投与後の扱いは製品によって異なるため、使用方法は獣医師の指示に従ってください。
予防薬は前の月に侵入した幼虫を駆除する薬です。
蚊のシーズンにあわせた投与スケジュールを確認しましょう。
予防薬は、蚊が出始めて1か月後から開始し、いなくなって1か月後まで投与するのが基本です。
飲み忘れ防止や他の寄生虫対策の目的で、年間を通じた継続投与が選ばれることも増えています。
地域 | 予防開始時期 | 終了時期の目安 |
|---|---|---|
北海道 | 5〜6月 | 11〜12月 |
東北・北陸 | 5〜6月 | 11〜12月 |
関東〜九州 | 4〜5月 | 12月〜翌1月 |
沖縄・奄美 | 通年 | |

投薬間隔は月1回が基本です。
飲み忘れた場合はそのまま再開せず、病院に相談しましょう。
フィラリア予防薬は、蚊に刺されて体内に入った幼虫を一定期間内に駆除することで予防効果を発揮します。
間隔が空くと十分な予防効果が得られないこともあります。
猫は感染しているかどうかを判断しにくいため、自己判断で再開せず、必ず病院に相談しましょう。
猫のフィラリア検査では、血液を採取して感染の有無を調べます。
ただし、猫は体内のフィラリアの数が少ないことも多く、1つの検査だけでは判断が難しい場合があります。そのため、抗原検査に加えて抗体検査など、複数の方法を組み合わせて診断します。
そのため、定期的な健康診断とあわせて、総合的に健康状態を確認することが大切です。
検査費用は検査項目や併用する健康診断の内容によって異なります。
詳しくはお近くの動物病院で確認しましょう。
当院では、フィラリア予防の開始シーズンにあわせて、猫のフィラリア検査を含む春の健康診断キャンペーンを実施しています。
猫の健康診断をご検討中の方や、フィラリア検査が気になっている方は、この機会にチェックしてみてください。
はい。フィラリアに対する免疫は自然にはつきません。そのため、毎年シーズンごと(または通年)の予防を続けることが大切です。
必要性は、地域や予防歴、症状の有無で異なります。猫のフィラリア症は単一の検査で判断しにくいため、健康診断のタイミングで獣医師に相談し、必要に応じて検査を検討すると安心です。

猫のフィラリア症は、検査だけでは完全に見分けにくい病気です。そのため当院では、予防相談の時期にあわせて年1回の血液検査や健康診断をおすすめしています。ほかの病気の早期発見にもつながります。
猫もフィラリアに感染するリスクがあり、犬と比べて確立された治療法が限られています。
愛猫を守るのに、月1回の予防を継続しながら、年1回の健康診断と合わせて、フィラリア検査もオススメしています。
愛猫の生活環境や性格に合った予防方法を選ぶためにも、まずはかかりつけの獣医師に相談してみましょう。
それではまた、次のコラムで!
【参考文献】
Roncalli RA, Yamane Y, Nagata T. Prevalence of Dirofilaria immitis in cats in Japan. Vet Parasitol. 1998;75(1):81-89.
Dillon AR, Blagburn BL, Tillson M, Brawner W, Welles B, Johnson C, Rynders P, Barney S. Heartworm-associated respiratory disease (HARD) induced by immature adult Dirofilaria immitis in cats. Parasit Vectors. 2017;10(Suppl 2):514.
American Heartworm Society. 2020 Current Feline Guidelines for the Prevention, Diagnosis, and Management of Heartworm (Dirofilaria immitis) Infection in Cats. 2020
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