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総合診療
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こんにちは!リベ大どうぶつ病院 院長の林です。
🌀 トリミングで肛門腺絞りをすすめられたけれど、犬も猫も毎月必要?
🌀 お尻を床にこすっているのは、絞ったほうがいいサイン?
🌀 自宅で絞ろうとしても出ないし、嫌がるので困っている…
結論からお話しすると、肛門腺絞りは、すべての犬・猫に毎月必要なケアではありません。
自然に分泌物を出せているか、これまでにトラブルがあったかによって、必要性や間隔が変わります。
今回は、犬・猫それぞれのケアの考え方と、自宅で無理に絞らず受診の目安をお伝えします。
自分でやるか迷ったときの判断材料として、参考にしてくださいね。
犬にも猫にも、肛門の左右に、においのある分泌物が入る「肛門嚢(こうもんのう)」という袋があります。
一般に「肛門腺絞り」と呼ばれるのは、この袋の分泌物を押し出すケアです。
分泌物はふだん、排便のときに自然に出ていきます。問題なく出せていれば、定期的に絞る必要がない場合もあります。
一方で、分泌物をうまく排出できず、処置が必要になる子もいます。
犬では小型犬に肛門嚢のトラブルがみられることもあり、高齢になって筋力が弱まることで、自然に出すことが難しくなる子もいます。また、猫では犬ほど多くありませんが、症状があれば確認が必要です。
分泌物がたまったままになると、肛門嚢に炎症や感染が起こり、膿がたまることがあります。
進行すると肛門の横の皮膚が破れて血や膿が出る場合もあるため、お尻の様子に変化があれば診察で確認しましょう。
肛門腺絞りの間隔は、分泌物のたまり方や、これまでの症状によって変わります。
犬の体格や、犬・猫の違い、症状の違いも参考にしながら、その子に合う間隔を考えましょう。
犬・猫の状態 | 頻度の目安 |
|---|---|
自然に分泌物を出せていて、症状がない | 定期的に絞る必要がない場合もあります。 |
分泌物がたまりやすく、処置が必要 | たまり方や症状に合わせて間隔を決めます。犬では月1回程度で管理する例もありますが、猫も含めて同じ間隔が当てはまるわけではありません。 |
短い間隔で症状を繰り返す犬 | 単に絞る回数を増やさず、獣医師に相談しましょう。炎症や、背景にある皮膚・便のトラブルなども確認します。 |
体格や年齢だけで回数を決めず、その子の状態に合わせることが大切です。
また、前回絞ったあとにお尻を気にしなくなったか、その後いつ気にし始めたかを伝えていただけると、その子に合う間隔を考えやすくなります。
すでに獣医師のすすめで定期的に処置を受けているときは、自己判断でやめずに、今後も続ける必要があるか、次回はいつごろがよいかを確認しましょう。

犬も猫も、お尻を床にこすりつけて歩く「お尻歩き」の行動や、肛門の周りを繰り返しなめるなどの様子があれば、早めに獣医師へ相談しましょう。
分泌物のたまりだけでなく、肛門の周りの皮膚のトラブルなどでもみられるため、しぐさだけでは原因を見分けられません。
とくに、次のような変化があるときは、自宅で絞らず、早めに病院へご連絡ください。
<受診のサイン>
肛門の周りが赤く腫れている
血や膿が出ている
お尻に触れたときや、排便時に強く痛がる
炎症や感染があるときは、洗浄やお薬などの治療が必要になることがあります。
絞ったあともお尻歩きやなめる様子が続くときは、繰り返し絞らず、診察を受けましょう。
診察で肛門の周りや袋の状態を確認したうえで、獣医師が必要な処置や治療を判断します。

肛門腺絞りで分泌物が出ないときや、嫌がるときは、いったん止めましょう。
力を強めたり、何度も絞ろうとしたりすると、痛みや炎症につながることがあります。
出ない理由は、手技の問題や袋が空であることだけとは限りません。
分泌物が固くなっている場合もあるため、無理に出そうとせずご相談ください。
ご自宅で行うときも、まずはその子に必要なケアかどうかを確認して、獣医師から方法を教わりましょう。難しい場合は、病院に任せていただいて構いません。

「肛門腺絞りはサロンでもお願いできますが、病院では肛門の周りや袋の状態を確認し、治療や検査が必要かどうかも判断できます。ふだんのケアはサロンで、気になる変化があるときは診察で、と使い分けていただくのもよい方法です。
また、フレンチ・ブルドッグなど尻尾が短い犬種や大型犬でお尻周りの筋肉量が多い子では、外側から絞りにくいことがあります。その場合は、肛門に指を入れて直接出す『内絞り』を行うこともあります。ご自宅でうまく絞れないときは、無理をせずご相談くださいね。」
A. はい、肛門腺絞りだけのご来院も承っています。「うちの子に必要かわからない」というご相談でも大丈夫です。症状がなければ、健康診断の際に声をかけていただいても構いません。
A. お尻を気にするしぐさが落ち着いたか、赤みや腫れ、痛がる様子がないかを見ておきましょう。
絞ったあとも症状が続くとき、とくに血や膿、強い痛みがある場合は、待たずに病院へご連絡ください。
いったん落ち着いたあと、いつからまた気にし始めたかをメモしておくと、次のケアの間隔を考える参考になります。
肛門腺絞りは、すべての犬・猫に毎月必要なケアではありません。
分泌物のたまり方や症状に合わせて、必要性と間隔を考えましょう。なお、血や膿、強い痛みがある場合は、予約日を待たずに病院へご連絡ください。
また、「続けたほうがよいのか」「自宅では難しい」と迷う場合も、お気軽にご相談くださいね。愛犬・愛猫に合ったケアを、一緒に考えていきましょう。
【参考文献】
厚生労働省. 補助犬使用者及び訓練事業者のための補助犬衛生管理の手引き 第1版.
Cornell University College of Veterinary Medicine, Riney Canine Health Center. Anal Sac Diseases.
Merck Veterinary Manual. Anal Sac Disease in Dogs and Cats.
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石井あゆみ, 神田聡子. 肛門嚢絞りと肛門嚢のトラブルの関係について飼い主を対象にしたオンライン調査. 獣医臨床皮膚科. 2026;32(2):77-82.
Rodan I, Dowgray N, Carney HC, et al. 2022 AAFP/ISFM Cat Friendly Veterinary Interaction Guidelines: Approach and Handling Techniques. J Feline Med Surg. 2022;24(11):1093-1132.
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