🐶犬
😺猫
皮膚科
公開日
2025.2.16
更新日
2026.3.17
こんにちは!リベ大どうぶつ病院 院長の林です。
あなたのワンちゃん・ネコちゃんは何歳ですか?
3歳くらいまでのコで、元気いっぱい、ごはんもよく食べる!けど…
💭最近、うちのコが体をかいているところをよく見かける
💭うんちがゆるいことが増えたかも…
もしそんな気がするなら、それ
実は「食物アレルギー」かもしれません。
このコラムでは、ワンちゃん・ネコちゃんに起こりやすい
食物アレルギーの症状・原因から診断・治療まで
Q&A形式でざっくりと解説します。
ごはんやおやつの時間は、動物たちにとっても、飼い主さんにとってもうれしいもの。
健康でたくさん楽しめるよう、ぜひ最後までご覧いただき、お役立ていただけるとうれしいです。
食物アレルギーは、
体が特定の食べ物を「異物」として認識し
免疫機能が過剰に働くことで起こる病気です。
特にタンパク質が原因となることが多いといわれています。
犬や猫でみられる主な症状としては、以下のようなものがあります。
体をかいている(かゆみ・赤みがみられる)
犬:口周り・耳・足先・お腹・おしりなど
猫:頭・くび周り・耳など
食後に吐く
下痢・やわらかいうんちが出るようになった
うんちの回数が増えた(目安として1日3回以上)
こうした症状が
季節を問わず、年間を通してみられる
最近、フードを変えてからみられる
特定のおやつをあげた時にみられる
ようなら、食物アレルギーの可能性が高いと考えられます。
アトピー性皮膚炎など、他の病気と似ていることも多いため、
Q5にある検査などを行い、きちんと見分けることが重要です。
【犬・猫の食物アレルギーで症状がよくみられる部位】[文献1, 2より作成]

生後数ヵ月くらいの若齢
に発症することが多いですが、
成犬や成猫になってから
症状が出ることも。そして放置すると時間とともに重症化します。
品種や性別で発症率に差はない
といわれていますが、以下の品種で多く見かけるという記載もあります。
【犬】
コッカー・スパニエル
ラブラドール・レトリーバー
プードル
ダックスフント
チワワ
シー・ズー
柴犬
【猫】
シャム猫・シャム系の雑種猫
食物アレルギーの原因となる主な食べ物には、次のようなものがあります。
牛肉:その他、鶏肉・豚肉なども代表的
乳製品:牛乳・チーズなど
小麦:米・大麦なども含む穀物類全般
魚:種類は様々、猫に多い
近年では
食品添加物:着色料・保存料・酸化防止剤など
も原因のひとつであるといわれています。
【食物アレルギーの原因となる主な食べ物】[文献1, 2より作成]

食物アレルギーの診断を行う際には、次のような流れとなります。
症状がいつから、どの部位に出ていますか?
例)1ヵ月くらい前から、口周りや耳が赤くなっている、など
普段食べているフードはなんですか?
こうした質問を飼い主さんにお伺いしながら、全身状態を観察します。
受診時には以下の項目について、製品名や食材、成分などをできる限りリストアップしておくとよいでしょう。
【日常で口に入れる可能性のあるものリスト】
・普段食べているフード(手作り食の場合は食材)
・おやつ
・サプリメント・薬・歯みがきガムなど
・人間用の食品で食べたことがあるもの
・他の飼育動物のフードや食糞の可能性など
感染症・寄生虫など、他の病気の可能性がないかを確認するため、皮膚検査や血液検査を行います。
原因として疑いのある食べ物を含まないフード(除去食)に切り替え、様子を見ます。これを除去食試験と呼びます。
約2ヵ月間、除去食のみで過ごしてもらい、症状が出ないまたは軽くなるかどうかをチェック
この期間、他のフードやおやつをあげることはできません。
その後、
以前食べていたフードに戻して、症状が再発するかどうかを確認する
という場合もありますが、除去食試験で症状が改善することがわかったのなら
そのまま除去食をメインフードとして、今後は原因の食べ物を避けて生活する
ことが多いです。
症状がよく似ている「アトピー性皮膚炎」が同時に起こっていないかを判定します。
食物アレルギーのみ
食物アレルギー+アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎のみ
症状の特徴やこれまでの経緯から、これらを診断します。

私の愛犬 バディも食物アレルギーを持っています。
かゆみや軟便で悩まされているワンちゃん・ネコちゃん、意外と多いのではないでしょうか?
次の治療につなげるためにも、除去食試験などできちんと診断を行うことが大切です!
食物アレルギーの治療は主に、食事管理・薬物療法・皮膚のケアを行います。
原因となる食べ物を含まない専用の療法食や手作り食を与えることで、症状の再発を防ぎます。
療法食には「加水分解タンパク質」を使用した製品があります。
これは、食材とするタンパク質をあらかじめ小さく分解しておくことで、体への刺激とならないよう工夫されたタンパク質のことで、アレルギー発症のリスクを下げることが期待できます。
皮膚症状がひどい場合には、かゆみ・炎症を抑える薬や抗生剤を処方します。
消化器症状には、整腸剤やサプリメントを利用することもあります。
皮膚の状態にあわせて薬用シャンプーなどを使用し、できる限り早く症状が改善するようケアを行います。
食物アレルギーやアトピー性皮膚炎など、慢性的な皮膚疾患に悩む飼い主さんと動物たちのために、リベ大どうぶつ病院ではより専門的な皮膚科診療に力を入れています。
治療の一つとして、東京動物アレルギーセンター センター長・川野浩志先生と連携し
数ヵ月から数年かけて、お薬からの解放を目指す治療
に取り組んでいます。
川野先生は、飼い主さんと動物たちの心や体に寄り添った総合的なアプローチで、アレルギー性皮膚疾患の根治療法に挑戦されている獣医師です。
当院でもこのアプローチを取り入れ、「脱医薬」を目指し、動物たちの体に負担の少ない治療を実践してまいります。
現在、大阪府内で東京動物アレルギーセンターと公式連携を行っている動物病院は、当院のみです(2025年2月現在)。関西エリアでも導入している病院はまだ少なく、東京まで受診に行くことが難しい飼い主さんと動物たちにとって、新たな選択肢となれば幸いです。
💬できるだけお薬に頼らず、根本から体質を改善したい
そんな飼い主さんの声にお応えできるよう、リベ大どうぶつ病院では
それぞれのワンちゃん・ネコちゃんにあわせたケア
より高度な皮膚科専門治療
を通じて、アレルギー治療や病気とのつきあい方を長期的にサポートいたします。
治療について詳しく知りたい方や、気になる症状がある方は、どうぞお気軽に当院までお問い合わせください。
それではまた、次回のコラムをお楽しみに!

引用文献
[1] 左向敏紀他: 臨床栄養学. インターズー. 2015.
[2] 日本動物看護職協会他 監修: 動物栄養学. インターズー. 2013.
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