🐶犬
循環器科
公開日
2024.10.28
更新日
2026.3.17
こんにちは!リベ大どうぶつ病院 院長の林です。
わんちゃんの心臓病Q&Aシリーズ 第2弾をお届けします!
心臓病の治療について
内科治療(お薬)
外科治療(手術)
のポイントを、それぞれQ&A形式でまとめました。
第1弾では、心臓病の原因や検査について解説していますので、
そもそもどんな病気かな?
と思った方は、ぜひそちらもあわせてお読みいただけるとうれしいです。
▶︎犬の心臓病って?わかりやすくQ&Aで解説!(原因・検査編)
わんちゃんの心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)では症状を抑えるため、主に以下のようなお薬が使われます。
強心薬
心臓を疲れにくくし、ポンプ機能を助ける
血管拡張薬
血圧を下げ、心臓の負担を軽くする
利尿薬
体の余分な水分を排出し、心臓の負担を軽くする
それぞれのお薬は、わんちゃんの状態や症状に合わせて使う種類・量・回数を調整する必要があります。
症状が重くなると、さらに他の飲み薬や注射などを行うこともあります。
お薬を飲み始めるタイミングは、早すぎても遅すぎても効果が十分に得られないことがあります。
このため、
病気の進行度をステージごとに分けて
適切なタイミングで使い始める
ことがとても重要です。
【表】心臓病のステージ分類 [1を参考に筆者作成]

お薬を飲み始めるのは、ステージB2からが基本となります。
わんちゃんのステージが今どのあたりなのかは、心臓検査をすることでわかります。
お薬のタイミングを逃さないためにも、心臓に不安のあるわんちゃんの健康管理には、定期的な検査が欠かせません。
必要なお薬を飲まずに放置してしまった場合、病気が悪化し、次のようなリスクが高まります。
・心不全
心臓の負担が大きくなり、全身へ血液をうまく送れなくなった結果、肺やお腹に水がたまるようになります。
咳や息切れもひどくなります。
・生活の質の低下
少し動いただけでも苦しいと感じたり疲れやすくなったりするため、好きな遊びができなくなったり、食欲がなくなったりします。
・命の危険
心不全が悪化すると、最終的に命に関わる状態になります。
わんちゃんの心臓病の治療は、お薬による内科治療が基本となります。
ただし
重症の場合
内科治療だけでは改善が難しい場合
内服薬からの脱却を目指し、手術を希望される場合
外科治療として手術(僧帽弁修復術)が必要とされることがあります。
主にわんちゃんの症状やこれまでの検査結果から、手術が可能かどうかを検討しますが、
その他、わんちゃんの
体重
心臓の大きさ
年齢・体力
などから、手術に耐えられるかどうか、メリットよりリスクが大きすぎないかなどを考慮して総合的に判断します。
そしてもちろん
飼い主さんのご意見や治療に対する考え方
も決定に大きく影響します。
また、手術は限られた専門施設でしか実施できないため、ご希望の場合には当院から高度医療機関への紹介を行っております。
僧帽弁を修復することで、お薬の種類や量を減らしたり、使わない生活ができるようになります。
心不全のリスクを減らして、わんちゃんが自然な寿命を全うできる可能性が高まります。
僧帽弁修復術は比較的成功率の高い手術といわれていますが、一般的に考えられるリスク(麻酔や出血、感染症、予期せぬ合併症など)は伴います。
手術自体の費用に加えて、手術前の検査や入院、お薬代、移動費などを含めると高額になることが予想されます。
手術によって、症状が大きく改善する可能性があります。
一方で、希望しても受けられない場合やリスク、費用の負担もあるため、わんちゃんの手術を受けるかどうかは、獣医師としっかり相談しましょう。
お薬を飲み始めるのは、ステージB2から!
定期的な検査で、悪化していないかどうかをチェック!
お薬だけで治療が難しい場合は、手術も考慮
【図】心臓病治療のポイント [筆者作成]

検査をしてみたら、うちのコが心臓病だった…
もし大切な家族が心臓病を抱えていることがわかったら。
飼い主さんだけで悩んだりあわてたりせず、ぜひ私たちにご相談ください。
わんちゃんの生涯に寄り添った最適な治療を、とことん考えていきます。
心臓病は、早めの治療と適切な健康管理をすれば、症状が落ち着いた状態を何年も維持することができます。
まだまだこれからも、一緒に楽しく過ごせる時間を作っていきましょう!
リベ大どうぶつ病院では
・すでに他院で診てもらっているコのお薬調整相談(セカンドオピニオン)
も行っております。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談くださいね!
受診前にお問い合わせいただけます。どうぞお気軽にご利用ください。
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう!

引用文献
[1] Keene BW, et al. J Vet Intern Med. 2019; 33(3): 1127-1140.
循環器科に関するコラム
一覧へ