🐶犬
循環器科
公開日
2024.9.22
更新日
2026.3.17
こんにちは!リベ大どうぶつ病院 院長の林です。
今回のコラムでは、わんちゃんに多い心臓病についてわかりやすくお伝えします。
心臓病は、飼い主さんが気づきにくいことが多い病気のひとつです。
起こりやすい年齢や犬種、検査のポイントなどについて、Q&A形式で解説しています。
気になる部分だけでもご覧いただき、愛犬の健康管理にぜひお役立てください。
わんちゃんの心臓病でよくみられるのは「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべん へいさ ふぜんしょう)」という病気です。
この病気では、次のような症状がみられることがあります。
興奮したときや夜から朝方にかけて、咳が出る
運動することを嫌がる、疲れやすい
もしこうした症状がみられたら、すでにある程度病気が進んでいる可能性があるため、早めに動物病院を受診することが大切です。

心臓は左右で大きく2つの部屋に分かれており、さらに各部屋は中央でカーテンのようなもので2つに仕切られています。このカーテンのことを弁(べん)といい、僧帽弁は心臓の左側にある弁の名前です(図)。
弁がうまく閉じないことで血液が逆流してしまうことが、この病気の主な原因です。
生まれつき弁に問題がある場合と、歳とともに弁が劣化する場合があります。
逆流によってふくらんだ心臓が、気管支を圧迫 → 咳が出る
全身へスムーズに血液を送れなくなる → 疲れやすい
といった症状につながります。
心臓に大きな負担がかかるため、重症になると命にかかわります。
【図】心臓と弁

7〜8歳以上の中高齢のわんちゃんで起こりやすいといわれています。
特に10歳を超えると、約30%のわんちゃんで異常が報告されています[1]。
小型犬で起こりやすいことが知られています。
下記の犬種は、遺伝的要因のリスクも考えられるため、特に注意が必要です。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
チワワ
プードル
ヨークシャー・テリア
初期の段階では目立った症状がないため、日常で飼い主さんが気づくことは難しいと思います。
この病気をみつける最大のポイントは
①心臓の雑音
②弁の異常をとらえた画像
の2つです。
獣医師が聴診器で心臓の雑音を確認します。
もし特徴的な雑音が聞こえたら、次に必要なのは②を調べるための検査です。
心臓の画像をくわしく調べるため、レントゲン検査とエコー検査の2種類を行います。
これらの検査で心臓の状態をしっかり確認します。
場合によっては、心電図や血圧検査も行って、総合的に診断します。
残念ながら、異常な弁を完全に正常の状態に戻すことはできません。
ただし治療により、症状をコントロールしたり、進行を遅らせたりすることはできます。
主にお薬や手術で治療する方法があります。

手術をするかどうかは、重症度・年齢・全身状態などによって判断します。
弁の修復手術を受けることで、症状が大幅に改善され、場合によってはお薬が不要になることもあります。
一方で手術のリスクや費用の負担などもあるため、獣医師とよく相談しましょう。
リベ大どうぶつ病院では心臓外来を行っております。
検査内容・所要時間など、ご希望にあわせたコースをご用意していますので
「心臓病のチェックをしたい」
と、ぜひお気軽にお声がけください。
すでに他院で診てもらっているコのお薬調整相談(セカンドオピニオン)
手術が必要な場合、専門分野に特化した二次診療施設への紹介
も行っております。
健康寿命をのばして、わんちゃんとの豊かな時間をたくさん過ごせるよう、スタッフ一同サポートさせていただきます。小さなことでも遠慮せず、いつでもご相談くださいね!
受診前にお問い合わせいただけます。どうぞお気軽にご利用ください。
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう!

引用文献
[1] Mattin MJ, et al. J Vet Intern Med. 2015; 29(3): 847-854.
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